株式会社スエヒロは、スピーディーな見積もりと現場への迅速な落とし込みを強みに、試作から量産まで一気通貫で伴走する抜型メーカーです。 特許技術の活用や、受発注・図面管理のデジタル化など、新しい挑戦にも積極的に取り組んでいます。 その中で私・末廣肇は、作家志望からものづくりの世界に入り、現在はお客様の声を最短距離で製造へつなぐ役割を担っています。 この記事では、スエヒロについてのご紹介とともに、私のものづくりへの姿勢や、これからの取り組みについてお伝えします。 私はもともと作家志望で、この業界に入るつもりはまったくありませんでした。大学卒業後、父が営んでいた個人事業を「人手が足りないから」と手伝い始めたのが最初のきっかけです。 現場でお客様の要望が形になっていく瞬間に立ち会ううちに、ものづくりの奥深さに惹かれていきました。営業や制作の現場に4年ほど携わり、工程管理や品質の考え方を一から学んだのち、現在の株式会社スエヒロに合流しました。 いまは顧客対応と営業、社内オペレーションの整備を中心に、電話での相談受付、ヒアリング、社内への展開、図面・仕様のすり合わせ、現場への指示までを一気通貫で担っています。現場の声を最短距離で製造に渡し、納期と品質の両立に結びつけるのが私の役割です。 私たちがつくっているのは、抜型(ぬきがた)です。ステッカーや箱、付箋、シール、フィルムなどを「同じ形で」「大量に」つくるための道具で、1回のプレスで複数個を正確に加工できます。 たとえばハート型のシールなら、ハサミで1枚ずつ切る代わりに、抜型をセットしてプレスすれば一度に8個、16個と揃います。紙器・ラベルといった印刷分野はもちろん、スマホ内部のパーツ、文具のふせんのような厚みのある紙製品まで、用途は幅広いです。 近年は小ロット・短納期・多品種のニーズが一層強まり、印刷会社様だけでなく、メーカーの開発部門からのご相談も増えています。私たちは図面段階から仕様をすり合わせ、必要に応じて代替素材の提案や後工程の段取りまで踏み込み、試作→検証→量産への橋渡しをスピーディーに行います。 扱う素材や業界を限定しないこと。これがスエヒロの良さです。紙だけ、樹脂だけといった垣根をつくらず、やったことのない案件でも前向きに検証します。実際、他社で断られた難易度の高い案件を社内で試作・検証し、実現させた事例が複数あります。 もう一つのこだわりはスピードです。見積りは原則即答。可能な限り数分〜当日中に返信します。完成像に一足飛びで到達しようと無理をせず、初期試作→改良→量産という段階設計で柔軟にブラッシュアップしていきます。お客様と同じテーブルで判断を重ね、最短で最良に近づける進め方を徹底しています。 当社は【令和5年】に【トムソン刃加工具】(特許第【7292763】号)を取得しました。これは、刃物加工の特許で「切れているのに、止まっている」技術の実装に力を入れています。 プレス後、目的の形はきれいに切断されつつ、周囲と保持された状態で排出されるため、後工程で扱いやすいのが特長です。現在、刃物メーカー各社と連携し、用途開拓と量産安定化を進めています。 同時に、受発注や図面管理のシステム化も検討しています。正直、業界全体ではデジタル化が遅れがちです。だからこそ、私たちが先陣を切りたい。現場の知見を起点に、使える仕組みを軽やかに作り、まず社内で結果を出してから、お客様や協力会社にも波及させていきたいと考えています。 幼い頃から「まずはやってみる」「動きながら考えろ」と教えられてきました。その感覚は、今の仕事に直結しています。忙しいときほど笑顔で受け止め、話を最後まで聴き、必要なことを社内に正しく落とす。無理なことは正直に伝えたうえで、代替案と実行手順を示します。 お客様からの「早く持ってきてくれて助かった」「難しい形を形にしてくれてありがとう」という言葉が、次の挑戦のエネルギーになっています。受発注の関係にとどまらず、同じゴールへ走るパートナーとして並走する。それがスエヒロの流儀です。 大きな看板よりも、「困ったらまずスエヒロに聞こう」と思っていただける存在であり続けたいです。意思決定とフットワークの軽さで、課題を素早く解決する会社でいたいと考えています。 抜型づくりは華やかではありませんが、私たちの手を離れた“形”は街のあちこちに息づきます。店頭の箱、子どものシール、製品内部の小さなパーツ。日常の景色に自分の仕事が確かに残る喜びは、何ものにも代えがたいものです。 ものづくりが好きで、地道な積み重ねを楽しめる人なら、きっとこの世界を好きになれるはず。一緒に、不可能を可能にし、地域から愛される会社を育てていきましょう。 流儀
まず動き、すぐ形に。スピードで応えるスエヒロのものづくり






